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岡目八目

山下功さん
読売新聞 2011/11/15掲載
山下功さん

(1)「論語」など素読で塾生成長(寄稿連載)

 ◇やました・いさお
 囲碁普及は、老若男女全てが対象ですが、やはり子供が一番楽しい。良寛さんの「霞立つながき春日を子どもらと手まりつきつつこの日くらしつ」の心境です。
 地元である千葉県船橋市の3か所の幼稚園で、碁を教えて6年になります。初めに「お願いします」、終わったら「有り難うございました」のあいさつをし、どんな悔しい負け方をした時でも「有り難うございました」を言うように、囲碁のマナーを教えます。
 勝ったときのガッツポーズは厳禁です。なぜ、いけないか――。子供たちに問い掛けてみると、「負けた人が前にいるからかわいそう」といった答えが必ず返ってきます。「相手を慮(おもんぱか)る」という考え方は日本の文化であり、私が教えなくても子供たちには自然に身についているのです。
 囲碁が好きになった小・中学生には自宅で毎週土曜日の午前9時から正午まで、「山下塾」を開講しています。
 「どの手に感動したか」を問う棋譜並べ、リーグ戦、一番手直りの実戦など、棋力の向上を目指す工夫をいろいろしていますが、最近は「論語」「孟子」など中国の古典の素読を加えています。
 顔中を口にするくらい大きな声を出させます。最初は照れていても、慣れてくると大きな声が出るようになります。人前ではっきりものを言えるようになり、顔つきも変わってきます。碁にも好影響が出て自信につながってきます。
 塾を始めて20年余りたち、小・中学生大会の千葉県代表が数多く出ています。皆、立派な社会人に育ち、折々に訪ねてきて成長ぶりを見せてくれます。まさに塾長冥利です。
(山下塾・塾長)
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